パワハラと熱血指導の違い
今回のテーマは非常に難しくもあり、人材育成を担う者にとっては、心得て向き合わなければならない重要な問題でもあります。昨今、巷でも多くのニュースがこのテーマを取り上げていますね。
昭和⇒平成⇒令和と、時代の変化に合わせた教育の在り方について、一緒に考えてみたいと思います。最後まで、決して他人事ではなく、自分事として捉えてみていただけると幸いです。
【目次】
1.そもそもパワハラとは何?
2.熱く指導することはいけないのか?
3.パワハラと熱血指導の境目は?
4.人間関係は「深さ」より
「揺れにくさ」
1.そもそもパワハラとは何?
パワハラ(=パワーハラスメント)とは、職場において、職務上の地位や権威などの優位性を盾にして、相手を精神的・身体的な苦痛に追い込む行為のことです。上司から部下への行為だけでなく、先輩・後輩間や同僚間、部下から上司への行為も含まれます。
言い方を変えれば、SNS上で問題視される誹謗中傷ですよ。誹謗中傷の目的は相手の自尊心を傷つけることであり、そこには明確な悪意があります。
また、ハラスメントというのは自分が「したか or しなかったか」が基準ではなく、ハラスメントされた側(相手)が「された or されなかった」が判断の基準になるということを覚えておきましょう。
2.熱く指導することはいけないのか?
結論から言うと、いけないのではありません。気をつけなければいけないのは、伝え方と態度です。
『熱血教師』と聞くと、ドラマ「金八先生」を思い出しますが…、(昭和世代w)「怒鳴る」「手を上げる」「批判する」といった現代では受け入れられない極端な指導もありましたよね。しかしそこには、相手に対する愛があるんですよ。(ちょっと某CMのフレーズのようですが…)
相手への思いが熱ければ熱いほど、言葉数も多くなりますし、伝えたい思いから態度も極端に大袈裟になってしまいがちです。でも、熱い指導というのはいけない指導ではなく、伝え方と態度を意識するだけで、正当な指摘になるんです。
3.パワハラと熱血指導の境目は?
ここまでを読んでいただいて、おそらくお分かりいただけたと思いますが、パワハラ(誹謗中傷)と熱血指導(正当な指摘)の違いは、悪意の有無になるわけです。しかし、その言葉に悪意が込められているかどうかなんて本人でなければわかりませんよね。
正当な批判を装って自尊心を傷つけようとする悪知恵がはたらく人もいますし、少し語彙力のない人が正当な批判を言おうとすると、パワハラになってしまうこともありますし、そこら辺の境界線は限りなく曖昧でグラデーションになってしまっています。
\ しかし1つだけ判別する方法があります /
パワハラ(誹謗中傷)は話にならないことが大きな特徴であり、こちらがどんなに正当な反論を言ったところで聞く耳を持ってくれません。揚げ足取りで論点をすり替えマウントを取ってきたり、主張内容ではなく話し方や態度を批判したり、徹底的にまともな話し合いに応じてくれないのがパワハラの特徴になります。
一方、熱い指導(正当な指摘)を言う人は、基本的にその人と話がしたい人になります。よってちゃんと聞く耳は持っていますし、反論にも耳を傾けてくれて、お互いが納得できる着地点をさがすことができるのが、大きな特徴になります。まずはこちらが話し合いの姿勢を見せることが大事になりますね。
ただし、この判別方法にはそれなりのコミュニケーション能力が必要になります。同調と共感しか受け付けない、「異なる」というだけで拒絶反応を起こす人には無理な芸当。だからコミュニケーション能力が貧弱な人は、パワハラと熱血指導との区別がつかず、すべてがパワハラ(誹謗中傷)に聞こえてしまうのです。
4.人間関係は「深さ」より
「揺れにくさ」
「深い関係」とは、話の内容が濃いとか、頻繁に連絡を取ることではありません。むしろ、「久しぶりに話しても違和感がない」「何があっても受け入れてもらえる気がする」といった、関係の揺れにくさこそが本質です。
再会を重ねる中で、気づけば浅い領域から深い領域へ静かにドロップしていた人間関係。そんな関係をひとつでも持てることが、人生を少し豊かにしてくれるのかもしれません。
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