伝わらないなら、やらなかったと同じこと。
新入社員を迎えて、そろそろ本質的な差異を感じてきている時期ではないでしょうか。
今回は、トップ層が抱える漠然とした「不安」を「自信」に変えるための、具体的なリスク対策を体系的にお話します。
最後まで読んで、もはや不運な「事故」とは言えないリスクを未然に防ぐ対策のご参考にしていただければ幸いです。
【目次】
- 職場環境を揺るがす3つの変化
- 「対話」の場面で生じる認識ギャップ
- まとめ
1.職場環境を揺るがす3つの変化
今、職場を取り巻く環境は、「AI(テクノロジー)」「若手世代(価値観)」「SNS(拡散力)」という3つの要素が複雑に絡み合い、かつてない速度で変化しています。
この変化は一時的な流行ではありません。従来の職場ルールを根本から転換することが必要です。そのため、従来のハラスメント対策の延長線上では、リスクに対応できない場合があります。
まずは、
\\ 何が変わり、何がリスクなのか //
という実態を正しく認識することから始めましょう!
では、人材育成の観点から上記3つの要素に焦点を合わせて、事例と共にご紹介します。
まずは、
テクノロジー(AI) : 職場では主に採用時に取り入れているところが多いですね。なぜなら、面接ツールの分析結果を爆速で上げられる、つまり面接の効率を高めることができるからです。一方、「表情」や「声」などの自動分析が、※1『アルゴリズム差別』を生む法的リスクを内包しています。
《事例》 : AIが「笑顔の少なさ」を低評価すると、うつ病・自閉症スペクトラムの候補者が不当に排除される可能性があります。また、メンタルヘルス系の検査結果のみで合否を判断すると、職業差別や障害者差別とされる可能性があります。若い世代の中には、「性格検査で人格を否定された」と感じる人も多く、評判リスクの火種になります。これらのケースのように、職業安定法に基づく指針や公正な採用選考の観点から、AIに依存・過信するような活用は自重する必要があります。
次に、
価値観(若手世代): 上司が部下を「育ててあげている」という意識は、過去のものです。売り手市場が定着した現在、上司と部下の関係はより「対等」になり、上司もまた部下から厳しく選別される立場にあります。
《事例》 : 部下(若手世代)は、上司の無自覚な上から目線を敏感に察知し、企業姿勢を厳しく評価します。透明性と対等な対話を重視する彼ら(彼女ら)にとって、旧来型のコミュニケーションは「リスペクトの欠如」と映ります。
最後に、
拡散力(SNS) : 新入社員(=求職者)は、応募前にSNSや口コミサイトで企業の評判を徹底的にリサーチしています。そこに蓄積されたリアルな声は、書類選考以前に機能する「見えないフィルタ」といえるでしょう。例えば、世代の異なる上司の不誠実な対応は即座に拡散され、企業ブランドに長期的な損失を与える「評判リスク」へと発展します。
《事例》 : 「充実した研修制度で未経験でも安心」と謳っておきながら、実際に入社してみれば、即!「現場で実践から勉強」の現実を目の当たりにするなどの、広告と現場の不一致がSNSで共有されれば、未来の優秀な人材を遠ざける「デジタルタトゥー」として残り、企業に長期的な影響を与える可能性があります。
これら3つの変化が、個別にではなく、同時に進行しているのが現実です。(怖)
※1. アルゴリズムとは、計算可能(定まった答えがある)な問題に対して、問題を解決するための明確な「作業手順」や「計算方法」を指す言葉。(AIより)
ここまでの随分リスキーな話に、すっかり「不安」が増長されていたらすみません。m(_ _)m
申し上げたいのは、リスクは日々変化し、「昨日の正解」が、ある日突然「明日の炎上トリガー」へと変わってしまうこともある時代だということです。
2.「対話」の場面で生じる認識ギャップ
組織のパフォーマンスを大きく左右する要因の1つが、コミュニケーションの問題です。「伝えたはずなのに」「確認したつもりが」…etc。日々の業務の中で生じるこうしたもどかしさは、組織の大きな課題となっています。
「今の若手は」とか「現場を知らずに言うことはいっちょ前だな」など、主に立場や経験値の違いから生じる認識(=コミュニケーションギャップ)があります。とくに、プレイヤー(現場上がり)から管理職に昇格したマネージャーに多く見られます。異なる視点や背景を持つ者同士の間で生じる理解の隔たりです。
注意していただきたいのは、例えば、かつては現役バリバリの営業マンだった自分と、マネージャー(管理職)の役割を担う自分とでは、
\\ スキルがまったく違う //
ということです。
最近よく見かけるのは、「褒める」ことが人を育てることだと勘違いしているマネージャーが増えました。若年層には「褒めて育てるように」という呪文が広まった影響もあるでしょう。褒めることはコミュニケーション手法の1つであって、悪いことではありません。しかし人材育成を担うマネージャーの役割は、社員に成功体験を積んでもらい結果を出し、成果を組織の利益に還元することにあります。
こういったコミュニケーションのズレには、いくつかの原因があります。以下に代表的なものを上げますのでご参考までに。
- 「あれ」「これ」などの曖昧な指示や、「暗黙の了解」や「察する文化」に依存することは、正確な情報伝達を阻害し、組織に混乱をもたらすリスク要因になる。
- 専門用語や慣用句表現は、コミュニケーションにおいて誤解を生む原因となります。例えば、「スペック」といった用語は、営業部門と技術部門で異なる文脈で使用されます。こうした「組織の方言」の存在は、正確な情報伝達の障壁となります。
- 「これまでこうだったから」という前例のみに基づく判断は、より効果的な情報伝達の機会を逃す可能性があります。
- 経営層の意図が現場レベルまで正確に伝わっていると思い込むことは、情報伝達の失敗を見過ごすことにつながります。
- コミュニケーションがとりにくい職場環境は、円滑なコミュニケーションを阻害する可能性があります。例えば、隣の部署との情報共有に必ず上司を経由しなければならないといった状況は、タイムリーな情報共有や柔軟な対応を困難にします。
ざっと上げただけでも上記を改善し、日常的なコミュニケーションを促進する基盤づくり不可欠です。
具体的に、マネジメント層や経営層には、組織全体の変革を主導し、自覚的にスキルを伸ばす必要があります。さらに、ただ学ぶだけでなく、1on1ミーティングなどを活用し、部下の抱える問題や不安を理解し、自主性と問題解決力を伸ばせるよう、コミュニケーション改善を促しましょう!
指示の出し方の1例に、以下を参考に考えてみてください。
《事例》 : 上司「確認お願いします」と言う人。「5ページの図だけ変更したので確認お願いします」と言う人。
仕事できるできないの違いって、大きなスキルよりも、こういうコミュニケーションの質の積み重ねが大事。相手の時間や脳を無駄に使わせないってこと。
どこまでも相手目線、客観視点が仕事のセンスですよね。
3.まとめ
コミュニケーションギャップは意図的に起きる問題ではなく、些細な行き違いや習慣のギャップ、なんとなく疎遠なままの人間関係といった小さな原因の積み重ねです。また、コミュニケーションの根本は人間関係であり、メンバー間の信頼関係の構築が解決法だといえます。信頼関係は一朝一夕で成り立つものではなく、企業文化として継続的な取り組みが必要です。
短絡的な成果を求めるのではなく、組織の持続的な進化を支える基盤として位置づけ、計画的かつ継続的に推進していきましょう!
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